歯を残したい方へTo Those Who Want To Leave The Tooth

歯を残したい方へ

歯を残したい方へ

歯を失う原因は?

“歯を失う原因は?

歯を失う2大原因は、“歯周病”と“むし歯”です。
その他に、“歯ぎしり”などのパラファンクションによる“歯の破折”も見過ごせません。

あなたが歯を失った原因は?

あなたが歯を失った原因は?

鏡を持って、ご自分のお口を見てください。抜いたり抜けたりした歯はありますか?
失った歯がある場合は、その原因を思い返してみてください。
歯がグラグラになって、歯を抜いたり抜けたりした歯が多い“歯周病タイプ”ですか?
むし歯が大きくなって抜いていった歯が多い“むし歯タイプ”ですか?
あるいはその両方の“歯周病・むし歯の複合タイプ”ですか?
“歯周病”も“むし歯”もあまり無いのに、なぜか歯が折れたり欠けたりして歯を失ってきたという方は“ブラキシズム”のような、力の問題が関係している可能性があります。

あなたのお口の中のタイプに対応したメインテナンスが必要

あなたのお口の中のタイプに対応したメインテナンスが必要

“歯周病タイプ”や“むし歯タイプ”、“歯ぎしりタイプ”と単純に分けることはできません。これらのことは複合して起こり、また部位によっても微妙に違ってきます。
ただし、あなたのお口の中が“歯周病”のリスクが高いのか低いのか、“むし歯”のリスクが高いのか低いのか、あるいは“歯ぎしり”が有るのか無いのかによって、それに対応した管理をしていかなければなりません。

“むし歯”や“歯周病”は感染症

“むし歯”や“歯周病”は感染症

“むし歯”は口腔内のミュータンス菌(むし歯菌)が砂糖を分解して出す酸によって歯が溶かされて起こります。
また、“歯周病”は歯周病菌により、歯の周囲の歯ぐきや骨などの歯周組織がダメージを受けて起こります。
どちらも最初は細菌感染から起こる感染症です。口腔内は無菌状態にはできませんのでどれだけ菌を減らせるか(プラークコントロール)が重要になってきます。
治療中・治療後のプラークコントロールを徹底していただくことで、良好な口腔内環境を維持していく必要があります。

“ブラキシズム”とは?

“ブラキシズム”とは?

睡眠時や覚醒時を問わず、歯をすり合わせたり、噛みしめたり、カチカチと噛み合わせたりする習癖を“ブラキシズム(歯ぎしり)”といいます。
歯の様々な部分に過大で異常な力が加わるので、歯が欠けたり折れたりしやすくなります。
“ブラキシズム”のある方は、天然歯が破折するリスクが高いこと以外にも、咬み合わせの力の問題があるために、顎関節症への影響、被せものがある場合にはその破損への配慮を口腔内全体で行っていく必要があります。

歯を残すために考えていただきたいこと

歯を残すために考えていただきたいこと

天然歯を可能な限り残すことを念頭に治療を行っていきますが、様々な考慮が必要な場合があります。
例えば、根管治療を繰り返しても歯根の端の部分の炎症が治癒しない場合、“歯根端切除術”の適応になる場合があります。
また、歯根が何本かある奥歯の一部分にトラブルがある場合、部分的な抜歯を行い保存可能な歯根を残す“ヘミセクション*”や“トライセクション*”の適応になる場合があります。
奥歯の歯根の間の分岐部の炎症の程度によっては、“歯根分離保存術(歯根の分岐している部分を治療するために、歯根をそれぞれ分離させて残す治療法)”を選択した方が良い場合もあります。
差し歯にしたい歯に十分な歯質が無く、良好な予後が期待できない場合には、“クラウンレングスニング(歯肉や骨を整えて、歯肉から上の歯の長さを確保する治療法)”や“エクストリュージョン(矯正的挺出)”、“外科的挺出(一度歯を抜歯して、再度浅めに戻して歯の長さを確保する治療法)”を行うことにより、歯を保存することが可能になる場合があります。
歯が欠損した部分に移植可能な歯があるのならば、“自家歯牙移植”を考慮することも可能です。

ヘミセクション・トライセクションとは・・・歯根が複数ある歯の歯根を1本抜歯して残りの部分を残す治療法

歯を残すためにおすすめの方法

エクストリュージョン(矯正的挺出)

むし歯や歯が部分的に割れたりして、歯肉の下の方までそれが及んでいるとき、通常は治療困難と判断され抜歯も考慮されます。
“エクストリュージョン(矯正的挺出)”は、部分矯正の手法を用いて、そういった歯根の保存可能な部分を、歯肉の上の方まで引き出して歯を残すことを可能にする方法です。
歯肉上に十分な歯質(フェルール)を確保することにより、歯周組織が安定します。
“エクストリュージョン(矯正的挺出)”の最大のメリットは、歯根膜に外科的なダメージを与えないので予後が安定していることです。

- 治療の流れ -

診査・診断

1診査・診断
口腔内を診させていただき、口腔内写真やレントゲン写真などの情報を基に、“エクストリュージョン(矯正的挺出)”の適応症か判断させていただきます。

説明

2説明
診断結果を詳しく説明いたします。

根管治療

3根管治療
予定歯の丁寧な根管治療を行います。

エクストリュージョン(矯正的挺出)

4エクストリュージョン(矯正的挺出)
根管内にフックを組み込み、隣在歯にワイヤーをダイレクトボンディングし、エラスティックで牽引を始めます。
治療期間は、通常3カ月から4カ月です。

エクストリュージョン(矯正的挺出)

土台の作製

5土台の作製
“エクストリュージョン(矯正的挺出)”により、歯肉上に十分な歯質(フェルール)が得られたら、土台を作製します。

クラウンの作製

6クラウンの作製
クラウン修復を行い、機能させます。
自家歯牙移植

“自家歯牙移植”とは、例えば咬合に参加していない智歯(親知らず)などの歯がある場合、
その歯を抜歯すると同時に他の欠損部位に移植する方法です。
咬合に参加している歯であっても、咬合を考える上で、より優先される部位に移植する場合もあり得ます。
また、複根歯を分割してそれぞれ移植する場合もあります。

- 治療の流れ -

診査・診断

1診査・診断
口腔内を診させていただき、口腔内写真やレントゲン写真などの情報を基に、“自家歯牙移植”の適応症か判断させていただきます。

説明

2説明
診断結果を詳しく説明いたします。

移植歯の準備

3移植歯の準備
移植を行う歯に小さなむし歯や被せものがしてある場合は、事前に処置したり、咬み合わせの部分を事前に削っておいたりして移植やすい状態にしておきます。

自家歯牙移植手術

4自家歯牙移植手術
移植歯の歯根膜を極力傷つけないように抜歯を行うことと、受容部位の処置を同時に行います。受容側のソケットに移植歯を移植した後、ワイヤーあるいは縫合糸で固定を行います。

術後固定・根管治療

5術後固定・根管治療
移植歯の固定は通常3週間程度行います。その後、移植歯の経過に問題が無ければ根管治療を行います。

土台の作製

6土台の作製
通常6カ月後程度経過してから、土台を作製します。

クラウンの作製

7クラウンの作製